ワイヤードは,リアル・ワールドのサブシステムに過ぎないって? いつの日か,ワイヤードはリアルの情報をすべて内包することができる。最高密度のディスクが,リアルをすべて飲み込む。
IBMリサーチ社は17日,現在の記憶装置の容量を100倍に高めることができる磁性体を発見したと発表した。この磁性体は,鉄とプラチナ分子による4ナノメートルの微粒子を等間隔に配列したもので,常温で磁気的に安定している。将来,パソコンのハードディスクの,大幅な記録密度の飛躍が期待される。
まだ現実的ではない夢話のような感じもするが,記事中にもあるように「エキサイティング」な研究開発だ。IPネットワークはすべての情報を(地球上の各サーバーに)分散させることで,情報量の限界をなくした。だが,その各所のディスク容量には,物理的な制約がある。しかし,個々の容量が大幅に拡大すれば,全体の容量も増加する。無尽蔵の情報容量は,さらに,無限に膨れ上がる。
現在の1枚のハードディスクの最大容量は73GB(だと思う)。それを新しい磁性体で実現すれば,70テラバイト(そんな簡単なことではないだろうが)。想像できない情報を内包できるペタ・ディスク(1ペタバイト=1024テラバイト)への足がかりとなる。そしてペタ・ディスクになったとき,もしかしたら,ワイヤードの情報量がリアルの情報量を上回る? そのとき,ワイヤードはリアルのサブではなく,メインとして,人類を,迎え入れる…。
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